その夜。
私はまた、蒼空の腕時計を握りしめていた。
止まった秒針。
変わらない時刻。
「……もう、わからないよ」
涙が落ちる。
事故を避ければいいと思っていた。
一緒にいればいいと思っていた。
でも、違った。
蒼空は、私を守るためなら、自分の命を投げ出してしまう。
だから、ただ事故を避けるだけじゃだめなんだ。
蒼空が私を庇わなくてもいいようにしなきゃいけない。
そして、もうひとつ。
最初にループしたあの日、蒼空が言いかけたこと。
「俺、実は――」
あの続きは、なんだったんだろう。
私は時計を胸に抱きしめた。
「……蒼空」
会いたい。
もう一度、会いたい。

