あの日。 蒼空が私を庇った場所。 赤信号。 クラクション。 そして、私の腕を引いた蒼空。 思い出しただけで、息が苦しくなる。 「……美月?」 蒼空が足を止めた。 「大丈夫?」 「うん!」 慌てて笑う。 「ちょっと暑いだけ」 「そっか。じゃあ、こっちから帰ろうぜ」 蒼空は交差点とは反対の道を指さした。 「遠回りだけど、日陰多いし」 「……うん!」 私は何度も頷いた。 よかった。 これで、あの交差点には行かなくて済む。 そう思った。