ーーー花火の音で、私の告白は彼に届かない。
その綺麗な横顔を見つめて、小さな声でまた「好き」と放つ。
彼の瞳がこちらに向いた。
『今、なんか言ったかよ』
『い、いや、なんでも』
『嘘、ちゃんと聞こえてたし』
『え』
頬に添えられた手、そしてその唇が耳元に近づく。
彼は甘い声で言った。
ーーー
「…『好きって』」
満たされた気持ちに名前がつけられないまま、その文字に釘付けになる。
パラシュートでギター奏でながら告白でもなければ、嫉妬に狂った男が毒殺を企てることもなく、花火の下で告白。
きゅっと心臓が痛くなる。
早く、感想を青田くんに伝えなければ。
そう思ったが、よく考えたらあの後私に本を押し付けてすぐに帰ってしまったため連絡先も知らない。
「2年5組、青田くん」
ミステリアスな雰囲気を醸し出している彼と一緒に読んだのは青春キラキラ恋愛小説。
謎の喧嘩で本を押し付けられ解散になった今日。
家に帰ってすぐに読んだ。
恋愛ソングを書かなければ、そんな焦燥も確かにある中で、こんなに真っ直ぐなハッピーエンドがあっていいものなのかと複雑にも満たされた気持ち。
そして、早く感想を青田くんに言いたいという気持ち。
「…」
本を閉じて、紙を一枚取り出す。そしてシャーペンを握った。
なんだか今なら、書ける気がする。
私にしか書けない、恋愛ソングを。


