恋うつつ

職員室でも話題だった。最初は「しっかりして


くださいよ〜」「生徒相手に頼ってばっかで


それでも


あなた担任ですか!」


と──。美女の校長先生が窘めるように、


「まぁまぁ。彼も初めてクラスの担任を受け持ったん


ですから。緊張ぐらいはしますよ、緊張ぐらいは、


ね──?」と、生徒とのやりとりの中で関係が


構築できていることを視線で確認する。理玖先生


も、背筋を伸ばし、喋り出す瞬間に、


「俺は自分にしかやれない


ことを任されたまでです!それでは!!」


シン…とした空気に水を打ったように囁かれた


言葉。


副担任の先生が不在ななか、職員室は不穏な空気


が入り混じった。だが、3日後には普通にHRを


始め、出席確認もとれ、提出物も共有できた。


副担任も同じくらいのタイミングで復帰し、


湯川とアイコンタクトをとらなくてよくなった。


でも俺のなかで、クラス一の美少女、湯川初音


が気になり出していた。たった3日のパートナー


だったけど、凛とした声に佇まい。教師が生徒を


引っ張る立場なのに、逆を演じてくれた。到底


ない出来事。好きになり始めるには教師と生徒、


立場もあり、距離をある程度あけなくてはならない


──。と思ってたのに、まさかまた違った場所で


出会う羽目になるとは──。