加納欄の豚まんシリーズ34シーズン4

南署に戻ったあたしは、当直室の机に座った。

「…………」

目の前には、カップラーメン。

そして。

ぺちゃんこの豚まん。

「かわいそうに……」

そっと指で形を整えてみる。

戻らない。

「痛かったよねぇ……」

「誰と喋ってんだ?」

「うわっ!」

顔を上げると、大山先輩が立っていた。 

「びっくりさせないでくださいよ!」

「いや、こっちがびっくりするわ」

大山先輩は、あたしの手元を見る。

「……なんだ、それ」

「あたしの豚まんです」

「見りゃ分かる」

「襲われたんです」

「豚まんが?」

「はい」

「…………お前じゃなくて?」

「はい」

大山先輩は、両手を合わせると

「それはそれは、ご愁傷さまです」

と、言った。

あたしも、両手を合わせた。