店に着いて早々、紘人はお目当てのスパイクを前に、真剣な表情。


元々、なにを買うかは決まっていたけれど、なにに対して、紘人が真剣になっていたかというと…


「これで良いんだよね?」

紘人が探していたはずのスパイクを、私は指をさして言った。

「あぁ、これだ。ありがとな」


紘人は目線をスパイクに向けたまま、言う。


「私は、お礼を言われることしてないけど…?」


「探してくれたじゃん」


探したってより、ただ店に見に行って…


――あ、あった。

って感じだったからなぁ。