『…この前さ、』

「うん」

『遊んだときさ、』

「うん」



『まだ帰したくなかったんだよなぁ本当は…』

「え…?」


一旦、ここでひと息つく紘人。



『でも、さなの怪我が心配だから帰した!だから、ちゃんと治せよ?』



紘人の言葉は、いつもどこかに優しさが隠れてると思う。

だから、友達にも頼りにされているんだって思ってた。



――そして、

私に対しての紘人の言葉が、私の気持にどんどん拍車をかけていったんだ…。