「楽しみだねー」

なんて、嬉しそうに言う莉緒に、返す言葉がなくなってしまった。


何だか…

勝負もしてないのに負けた気分になった。

莉緒には勝てない…そう、思った。









いつだって

頭の片隅から離れなかった。


今のこの時間を

楽しんでいるようで、


だけど、本当は

気になってしょうがなくて


携帯を握り締めていた――。