「あ~、今回もダメかぁ」
私は思わず、口に出してしまった。ここは企業の採用面接の会場。「宮村 小鞠さん。どうぞ」の声で、私はドアのノックし、中へ入ったが、手ごたえはなかった。
噂によると、国民は能力スコアというもので、能力を数値化しているらしく、企業にそのスコアが渡されているらしい。また、スコアを自分自身が確認することはできないらしい。
そして、どこにも就職ができないと、ある施設へ送られてしまう。しかし、焦っていてもしょうがない。頑張らなくちゃ。
翌日。
教室内はガヤガヤとしていた。就職が決まった者は笑顔で会話をしていた。まだ決まってない者は顔が引きつっていた。
「まだ。決まってないんだ」
「いつまでも決まらないと、灰色の紙。灰紙が送られててくるらしいよ」
「それが来たら、ある施設へ行かないといけないみたい」
「なんか怖いねぇ」
不吉な会話が教室を飛んでいた。
それからしばらく経って……
自宅のポストを見ると、何やら封書のようなものが入っていた。
私はごくりと唾を鳴らし、開けてみた。
中には灰色の紙が入っていた。
「これが噂の……」
詳細を読むと、特に事前に何も準備をすることもなく、単身へ施設へ向かうだけでいいらしかった。
ドキドキしながらも、私は家を出て施設へ向かった。
1時間ほど電車に乗り、駅から徒歩20分ほどのところに、その施設はあった。
10階ほどありそうな建物と、広いグランドなどが見えた。
「御用ですか?」
比較的年配の女性が受付にいた。
灰色の紙を渡すと、別の者が来て屋内へと案内された。
廊下の幅は一般の学校などと同じぐらいであろうか。見た感じ無機質で、なんだか怖い気持ちになった。
「こちらへ……」
そう言われ、ドアの中を覗いた。
「……」
教室内で、なにやら異様な光景を私は目の当たりにした。
皆が机の前に座り、その机に固定された木で出来たハンドルをぐるぐると回しているのだ。
皆が無心にハンドルを回していた。話し声は聞こえず、ハンドルの木とそれを固定する台との摩擦のような音だけが室内に響いていた。
空いている席に案内され、その案内人は周りの人と同じことをしろって感じで顎をクイっと上に動かし、静かに教室を出て行った。
私は席に着き、目の前のハンドルを見た。とりあえず回してみたけど、とくに回しづらいとかそういうことはなくて、ぐるぐると割と簡単に回せた。
キィィ、キィ……
キィィ、キィ……
皆、黙々とハンドルを回す。
『キーンコーンカーンコーン』
壁に設置されているスピーカーから音がした。どうやら、お昼休みのようだ。
今までハンドルを回していた者たちが皆、教室を出ていく。私はその人たちの後を付いていった。
皆、ガヤガヤと楽しそうに笑顔で会話をしている。
その声を聞きながら付いていくと、食堂へ着いた。学校の食堂とあまり変わらない感じだった。
「ここは初めて?」
後ろから女性の声がした。
「はい。そうですが」
私はそう返答しながら、振り返った。
そこには私より少し背が高く、セミロングの女性がいた。
「ここの食堂は無料で、特に食券を買ったりする必要はないわよ。お食事、一緒にどう? そうそう、私は渡辺 楓。あなたは?」
「宮村 小鞠と言います。よろしくお願いいたします。今日来たばかりで不安だったので、とてもありがたいです」
食堂にはいくつか列が出来ている。私たちはトレーを持って、その列の一つに並んだ。
そして、自分の番が来ると、食堂のおばさんは何を言わずに、トレーに一つのパンと牛乳を1瓶を乗せた。
「無料と言っても、その日のメニューは一種類しかないんだ。今日はパンと牛乳だね」
そう、楓はフォローした。
トレーを持って、近くに席に着こうとすると、楓に話しかけてくる男性がいた。
「今日は新しい女の子と食事?」
「今日、入ってきたばかりなのよ」
「そっかー。じゃあ、僕もご一緒しようかな」
そう言って、その男性は私たちと一緒に席に座った。
「僕は神北 桂一。よろしく!」
「宮村 小鞠と言います。よろしくお願いいたします」
そして、楓も圭一も美味しそうにパンを食べた。こんなに貧相なメニューなのに。
パンと牛乳を平らげ、私たちは教室へ戻った。
教室内ではガヤガヤと皆、会話をしていた。
ハンドルを回す目的は何だろう。私は何度も考えたが、結局わからなかった。
『う~~~~』
壁のスピーカーからサイレンのような音が鳴った。
昼食の合図と違って、始まりはサイレンの音なんだ。私はなんだか不気味に感じながらも、午後のハンドル回しの時間が始まった。
ぐるぐるぐるぐるとハンドル回す。回すこと自体は別に苦痛ではない。ただ、これになにか意味があるのだろうか。そう考えると、なんだか気分が悪くなる。
私は頭を空っぽにして、あまりものを考えないでハンドルを回し続けた。
私は思わず、口に出してしまった。ここは企業の採用面接の会場。「宮村 小鞠さん。どうぞ」の声で、私はドアのノックし、中へ入ったが、手ごたえはなかった。
噂によると、国民は能力スコアというもので、能力を数値化しているらしく、企業にそのスコアが渡されているらしい。また、スコアを自分自身が確認することはできないらしい。
そして、どこにも就職ができないと、ある施設へ送られてしまう。しかし、焦っていてもしょうがない。頑張らなくちゃ。
翌日。
教室内はガヤガヤとしていた。就職が決まった者は笑顔で会話をしていた。まだ決まってない者は顔が引きつっていた。
「まだ。決まってないんだ」
「いつまでも決まらないと、灰色の紙。灰紙が送られててくるらしいよ」
「それが来たら、ある施設へ行かないといけないみたい」
「なんか怖いねぇ」
不吉な会話が教室を飛んでいた。
それからしばらく経って……
自宅のポストを見ると、何やら封書のようなものが入っていた。
私はごくりと唾を鳴らし、開けてみた。
中には灰色の紙が入っていた。
「これが噂の……」
詳細を読むと、特に事前に何も準備をすることもなく、単身へ施設へ向かうだけでいいらしかった。
ドキドキしながらも、私は家を出て施設へ向かった。
1時間ほど電車に乗り、駅から徒歩20分ほどのところに、その施設はあった。
10階ほどありそうな建物と、広いグランドなどが見えた。
「御用ですか?」
比較的年配の女性が受付にいた。
灰色の紙を渡すと、別の者が来て屋内へと案内された。
廊下の幅は一般の学校などと同じぐらいであろうか。見た感じ無機質で、なんだか怖い気持ちになった。
「こちらへ……」
そう言われ、ドアの中を覗いた。
「……」
教室内で、なにやら異様な光景を私は目の当たりにした。
皆が机の前に座り、その机に固定された木で出来たハンドルをぐるぐると回しているのだ。
皆が無心にハンドルを回していた。話し声は聞こえず、ハンドルの木とそれを固定する台との摩擦のような音だけが室内に響いていた。
空いている席に案内され、その案内人は周りの人と同じことをしろって感じで顎をクイっと上に動かし、静かに教室を出て行った。
私は席に着き、目の前のハンドルを見た。とりあえず回してみたけど、とくに回しづらいとかそういうことはなくて、ぐるぐると割と簡単に回せた。
キィィ、キィ……
キィィ、キィ……
皆、黙々とハンドルを回す。
『キーンコーンカーンコーン』
壁に設置されているスピーカーから音がした。どうやら、お昼休みのようだ。
今までハンドルを回していた者たちが皆、教室を出ていく。私はその人たちの後を付いていった。
皆、ガヤガヤと楽しそうに笑顔で会話をしている。
その声を聞きながら付いていくと、食堂へ着いた。学校の食堂とあまり変わらない感じだった。
「ここは初めて?」
後ろから女性の声がした。
「はい。そうですが」
私はそう返答しながら、振り返った。
そこには私より少し背が高く、セミロングの女性がいた。
「ここの食堂は無料で、特に食券を買ったりする必要はないわよ。お食事、一緒にどう? そうそう、私は渡辺 楓。あなたは?」
「宮村 小鞠と言います。よろしくお願いいたします。今日来たばかりで不安だったので、とてもありがたいです」
食堂にはいくつか列が出来ている。私たちはトレーを持って、その列の一つに並んだ。
そして、自分の番が来ると、食堂のおばさんは何を言わずに、トレーに一つのパンと牛乳を1瓶を乗せた。
「無料と言っても、その日のメニューは一種類しかないんだ。今日はパンと牛乳だね」
そう、楓はフォローした。
トレーを持って、近くに席に着こうとすると、楓に話しかけてくる男性がいた。
「今日は新しい女の子と食事?」
「今日、入ってきたばかりなのよ」
「そっかー。じゃあ、僕もご一緒しようかな」
そう言って、その男性は私たちと一緒に席に座った。
「僕は神北 桂一。よろしく!」
「宮村 小鞠と言います。よろしくお願いいたします」
そして、楓も圭一も美味しそうにパンを食べた。こんなに貧相なメニューなのに。
パンと牛乳を平らげ、私たちは教室へ戻った。
教室内ではガヤガヤと皆、会話をしていた。
ハンドルを回す目的は何だろう。私は何度も考えたが、結局わからなかった。
『う~~~~』
壁のスピーカーからサイレンのような音が鳴った。
昼食の合図と違って、始まりはサイレンの音なんだ。私はなんだか不気味に感じながらも、午後のハンドル回しの時間が始まった。
ぐるぐるぐるぐるとハンドル回す。回すこと自体は別に苦痛ではない。ただ、これになにか意味があるのだろうか。そう考えると、なんだか気分が悪くなる。
私は頭を空っぽにして、あまりものを考えないでハンドルを回し続けた。



