葉山くんは私の前でだけ忠犬

「あはぁ!わかったぁ、千代のいうこときく〜」
「う、うん……」
「イイコしてぇ〜」
「うん……おとなしくしててね」


髪の毛を優しく撫でてあげてから、私は自分の席へ移動した。

座ってから葉山くんのほうを見ると、机の上に突っ伏して早速寝る体制を整えてる。

変にサボってどこかへ行かれるより、教室で寝てもらってるほうが安心だから良しとしよう……。


机の中から教科書を取り出し、授業の準備をしていると、スカートのポケットに入れていたスマホが震える。

画面を見れば、相手はもちろん葉山くん。


『放課後『散歩』して帰ろうね』


『散歩』……寄り道のお誘いだ……。


私はもたつきながらもスマホの画面をタップして、葉山くんへメッセージを送り返した。


『イイコにしてたらね』


残り時間。

葉山くんはイイコにしてられるのか。
さあ、どっちだ。