可愛がって下さいよ、花岡先輩。



「筒香は可愛いな。結依に良く懐いて、犬みたいだ。」

「ありがとうございます……?」

花岡先輩の下の名前は結依。

後輩の私は、一度も呼んだ事がない。


珍しく生徒会室には、皇先輩と私しかおらず。

皇先輩は学園の王様で、逆らえる人はいなかった。

皇家が多額の寄付金を納めてるらしいので、理事長や教師陣も、皇先輩には何も言えないだろう。


生徒会長用の椅子から立ち上がった皇先輩は、鷹揚に歩みを進め、私と距離を詰めた。

私は生徒会室の掃除を、軽くしてたところで。


椅子だけでも身分の違いがあった。

役職なしの私は、パイプ椅子。

皇先輩の椅子は、座り心地が良い、高そうな椅子だった。


「可愛いから、味見したくなる。」

そう呟いた、皇先輩にキスされた。

……驚き目を見開き、皇先輩から離れようとするが、腰に腕を回されて阻止されて、開いていた唇の隙間から、……舌が入って来た。

熱く生々しい、感触に肩が跳ねた。

奥にある私の舌を絡め取られて、深いキスに唾液が混ざり合い、生徒会室に響いてる気がした。


唇が離された時には、私は立ってられなくなり、腰を抜かして床に座り込んだ。


「ご馳走様。」

私を見下ろす皇先輩は、唾液で濡れる唇を親指で拭った。

妖しい色気を纏っている。



「……お口に合ったなら、……良かったです。」

なんて返すのが正解か分からず、そう答えるしかなかった。

腰が砕けるくらい、キスが上手かった。