可愛がって下さいよ、花岡先輩。




「花岡先輩、凄かったですね!」

閉会式が終わり、寮に帰るところの花岡先輩を呼び止めた。

「俺は一点も決めてないぞ。」

足を止めた花岡先輩は振り返った。

「アタッカーが点を決められる、打ち易いトス、あんなに上げてたじゃないですか。」

「……良く見てるな。」

「見てますよ。」

……気持ち悪いと、引かれそうなくらい。

花岡先輩の事しか、目に入らなかった。


「私の勇姿、見てくれました?」

「ホームラン、打ってたな。」

「惚れ直しました?」

「惚れ直した。」

「感情が一ミリもこもってないですよ!」

棒読みで言われたが、嬉しかった。

“じゃあな”と、花岡先輩は寮に歩いて行った。




夏休みに入った。

生徒は帰省するが生徒会は、夏休み明けの行事や、オープンスクール、ボランティア活動について、会議があるので残っていた。

学園内に残ってる生徒は、試合に向けて部活動に励んでるか、生徒会のメンバーだった。


陽毬ちゃんは夏休みも、吹奏楽部でフルートを吹いてた。

十月にコンクールがあるらしくて、夏休みは練習漬けみたい。