加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4

女の人は、ハンカチを握りしめていた。

肩が小さく震えている。

「……あの人が被害者ですか?」

駅員さんが頷いた。

「小山内香澄さん、二十三歳です」

あたしは吉井さんの前に座った。

「吉井さん、最初から話してもらえますか?」

「俺は電車に乗ってただけだ」

「そしたら突然、腕を掴まれた」

「小山内さんに?」

「ああ。『この人です』って……」

吉井さんが唇を噛んだ。


その時、廊下から複数の足音が近づいてきた。 駅員室の前で、ぴたりと止まる。

ドアが開いた。

「鉄道警察隊です」

四人の男が入ってきた。

その中の一人が、小山内さんを見て足を止めた。

「……小山内さん?」

若い男の声に、小山内さんが顔を上げた。