加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4

東川越駅に着くと、あたしと苫利先輩は駅員室へ急いだ。

「南署の加納です」

警察手帳を開いて中に入った瞬間、吉井さんの姿が目に入った。

「吉井さん!」

「……欄くん!」

椅子に座った吉井さんは、いつもの吉井さんじゃなかった。

顔を上げても、すぐに俯いてしまう。

「私は、やってないからな」

「はい」

あたしも迷わず答えた。

「本当に、何もしてない」

「分かってます」

「欄ちゃん」

苫利先輩が小さくあたしを制した。

あ……。

まだ、何も確認してないんだった。

吉井さんの少し離れたところに、若い女の人が座っていた。

目を真っ赤にして、俯いている。

あの人が……。

吉井さんを痴漢だと言った人?