人混みの向こうから、大山先輩が歩いてくる。
その隣には――
赤い帽子の男。
大山先輩に腕を掴まれ、俯いている。
「大山先輩!」
思わず駆け寄りそうになって、足を止めた。
「捕まえたぞ」
大山先輩が男の手からスマホを取り上げる。
「中身は?」
久世さんが聞いた。
「まだ確認してない。本人の前で確認する」
大山先輩の声が、いつもより低い。
赤い帽子の男は何も言わない。
あたしは自分のスカートを見下ろした。
あのスマホが、どこを撮っていたのか。
考えた瞬間、身体がぞくっとした。
「欄」
呼ばれて顔を上げる。
大山先輩が、まっすぐあたしを見ていた。
「……大丈夫か?」
「はい」
そう答えたけど、声はまだ少し震えていた。
大山先輩は何も言わず、自分の上着を脱いだ。
そして、あたしの肩にそっと掛けた。
痴漢と、盗撮。
二人とも、捕まった。
その隣には――
赤い帽子の男。
大山先輩に腕を掴まれ、俯いている。
「大山先輩!」
思わず駆け寄りそうになって、足を止めた。
「捕まえたぞ」
大山先輩が男の手からスマホを取り上げる。
「中身は?」
久世さんが聞いた。
「まだ確認してない。本人の前で確認する」
大山先輩の声が、いつもより低い。
赤い帽子の男は何も言わない。
あたしは自分のスカートを見下ろした。
あのスマホが、どこを撮っていたのか。
考えた瞬間、身体がぞくっとした。
「欄」
呼ばれて顔を上げる。
大山先輩が、まっすぐあたしを見ていた。
「……大丈夫か?」
「はい」
そう答えたけど、声はまだ少し震えていた。
大山先輩は何も言わず、自分の上着を脱いだ。
そして、あたしの肩にそっと掛けた。
痴漢と、盗撮。
二人とも、捕まった。



