動いちゃダメ。
あたしはスマホを見たまま、じっとしていた。
最初は、手の甲が軽くお尻に当たっただけだった。
やっぱり勘違い?
電車が揺れたせいかもしれない。
そう思っていると、すっと離れる。
……偶然?
次の瞬間、また同じ場所に手が触れた。
今度は手のひらだった。
触れたまま、電車が揺れても離れない。
……これ、絶対わざとだ!
さらに指が動いた。
ちょっと待って!
分かってた。
今日はそのために来たんだから、分かってたけど……。
これ、思ってたよりムカつく!
振り向きたい。
この手を掴んで、そのまま――
ダメ!
吉井さんの二の舞になるかもしれない。
それに、あたしは今日、刑事じゃない。
被害者役なんだ。
大山先輩にいつも言われている、しおらしい女の子なんだ。
やがて手が離れたと思ったら、今度は腰へ移ってきた。
――小山内さんが話してたのと、同じだ。
あたしはゆっくり右手を上げ、右耳のピアスに触れた。
あたしはスマホを見たまま、じっとしていた。
最初は、手の甲が軽くお尻に当たっただけだった。
やっぱり勘違い?
電車が揺れたせいかもしれない。
そう思っていると、すっと離れる。
……偶然?
次の瞬間、また同じ場所に手が触れた。
今度は手のひらだった。
触れたまま、電車が揺れても離れない。
……これ、絶対わざとだ!
さらに指が動いた。
ちょっと待って!
分かってた。
今日はそのために来たんだから、分かってたけど……。
これ、思ってたよりムカつく!
振り向きたい。
この手を掴んで、そのまま――
ダメ!
吉井さんの二の舞になるかもしれない。
それに、あたしは今日、刑事じゃない。
被害者役なんだ。
大山先輩にいつも言われている、しおらしい女の子なんだ。
やがて手が離れたと思ったら、今度は腰へ移ってきた。
――小山内さんが話してたのと、同じだ。
あたしはゆっくり右手を上げ、右耳のピアスに触れた。



