加納欄の冤罪シリーズ33シーズン4

「却下」

高遠先輩が即答した。

「なんでですか!」

「お前が犯人を捕まえる気満々だからだ」

「捕まえるんだから、当たり前じゃないですか」

「今回の囮の意味分かってるか?」

「分かってます!」

たぶん。

高遠先輩が深いため息をついた。

久世さんが苦笑しながら口を開く。

「加納さん。犯人に触らせる必要があります」

「……はい」

「我々が犯行を確認するまで、絶対に動かないでください」

「…………はい」

「今の間はなんだ」

高遠先輩に睨まれ、あたしは目を逸らした。

「合図を決めましょう」

水城さんの言葉に、あたしは少し考えた。

「あ。これでどうですか?」

右耳のピアスに触れる。

「犯人に触られたら、これを触ります」

久世さんが頷いた。

「分かりました。我々が周囲で確認します」

高遠先輩が、もう一度念を押した。

「加納。確認するまで絶対に暴れるなよ」

「あたしを何だと思ってるんですか!」

「鉄球を壊す女」

「…………なんで、知ってるんですか」

言い返せなかった。