海色の恋〜冷徹社長の甘い愛に染められて〜

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ナイトアクアリウムのポスターが完成した。そのデザインを部屋で並んで眺める。そこには満月と人魚姫。そして、淡い雫の中に色とりどりの海の生き物たちが描かれていた。人魚姫の手の近くにはツノダシが泳いでいて、まるで彼女にキスを落としているようにも見える。

「素敵ですね。ツノダシが人魚姫に恋してるみたい」

そう言って笑うと、海人がふっと笑った。

「さすがだな、この人魚姫は美月がモデルなんだ」

「なんか恥ずかしい」

嬉しいような恥ずかしいような、思わず頬を緩めているとゆっくりと海人の手が伸びてきて私の髪を耳にかける。愛おしそうに私を見つめる瞳と目が合う。

「美月、愛してる」

「私も」

綺麗な顔が近づいてきて目を閉じると柔らかな唇が重なる。深くなる口付け。何度もしているのに、いつも胸が高鳴る。触れるたびに嬉しくて、ほんの少しだけドキドキしてしまう。唇が離れると、海人が私の唇を指先でそっとなぞった。

「上手くなったな」

「指導のおかげですかね」

いたずらっぽく笑うと、海人も小さく笑った。

「たまらないな」

そう言って、もう一度優しく口づけをする。

「でも、ゆっくりでいい。この先もずっと一緒だからな」

「ほんと、です?」

「疑うのか?」

「だって…お見合いとか、したりしないですか?」

以前、そんな話をしていたから、何気なく尋ねる。すると海人は「ああ」と呟いて、私をまっすぐ見つめた。

「しないよ」

その声には、迷いがなかった。

「こんなに愛おしいと思える人ができたんだ。君以外と、今後恋愛する気もない」

胸の奥がじんわりと熱くなる。何気なく口にした言葉だったのに。こんなにも嬉しい。

「絶対ですよ?」

私は少しだけ笑って、海人を見上げる。

「私の愛、重いですよ?」

すると海人は、少しも怯むことなく笑った。

「望むところだ」

その笑顔がまたずるいくらいにかっこいい。本当にこの人には敵わない。甘い愛に染められていくたびに、もっと好きになる。でも、いつかこの余裕たっぷりの顔を崩してみたい。海人の色に染められるだけじゃなく、私の色にも染めていきたい。そんな小さな野心を私はひそかに胸の奥へしまった。


完結。