帰り道、夕日が海をオレンジ色に染めていく。
あの「プリズムの窓辺」で見た景色と、少しだけ似ているけれど、決定的に違う、現実の美しい夕暮れ。
私たちは海岸沿いのベンチに座り、どちらからともなく肩を寄せ合った。
「……輝」
颯太くんが、繋いだ手をさらに強く握りしめる。
「あの場所が消えた時、本当は、ちょっとだけ怖かったんだ。お前と二人きりになれる特別な世界がなくなったら、俺たち、普通のクラスメイトに戻っちゃうんじゃないかって」
彼は海の向こうを見つめながら、ぽつりと本音を漏らした。
「でも、違ったわ。学校でも、こうして遠くの街に出かけても、お前はちゃんと、俺の格好悪い中身を隣で見続けてくれる」
ゆっくりと私を振り返った彼の瞳には、夕日の光と、そして迷いのない強い光が宿っていた。
「俺、もう完璧な王子様には戻らない。……お前の前で、ずっとこのままでいるから。だから」
彼は私の制服ではない、私服の袖をぎゅっと掴んで、悪戯っぽく微笑んだ。
「一生離さねぇから。覚悟しろよ、って言ったの、忘れてねぇよな?」
「うん。忘れるわけないよ」
夕暮れの心地よい潮風が、二人の髪を揺らす。
魔法の空間が消えても、私たちの本当の物語は、この眩しい現実の空の下で、どこまでも、どこまでも続いていく。
あの「プリズムの窓辺」で見た景色と、少しだけ似ているけれど、決定的に違う、現実の美しい夕暮れ。
私たちは海岸沿いのベンチに座り、どちらからともなく肩を寄せ合った。
「……輝」
颯太くんが、繋いだ手をさらに強く握りしめる。
「あの場所が消えた時、本当は、ちょっとだけ怖かったんだ。お前と二人きりになれる特別な世界がなくなったら、俺たち、普通のクラスメイトに戻っちゃうんじゃないかって」
彼は海の向こうを見つめながら、ぽつりと本音を漏らした。
「でも、違ったわ。学校でも、こうして遠くの街に出かけても、お前はちゃんと、俺の格好悪い中身を隣で見続けてくれる」
ゆっくりと私を振り返った彼の瞳には、夕日の光と、そして迷いのない強い光が宿っていた。
「俺、もう完璧な王子様には戻らない。……お前の前で、ずっとこのままでいるから。だから」
彼は私の制服ではない、私服の袖をぎゅっと掴んで、悪戯っぽく微笑んだ。
「一生離さねぇから。覚悟しろよ、って言ったの、忘れてねぇよな?」
「うん。忘れるわけないよ」
夕暮れの心地よい潮風が、二人の髪を揺らす。
魔法の空間が消えても、私たちの本当の物語は、この眩しい現実の空の下で、どこまでも、どこまでも続いていく。


