【短編】泥魔法しか使えないので、王子に婚約破棄されて《不毛の地》に追放された令嬢の行方

かわいらしい小窓ができたので、持って来た荷物の中からカーテンを取り出してつけた。
寝室に行き、泥岩製のベッドとサイドテーブルを作る。

「布団をベッドに敷くと、一気に部屋らしくなったわ」

台所にはかまどとキッチン台、浴室には浴槽、それからトイレも作った。
全て泥を元にした陶磁器製だ。

「喉が乾いたからお茶を淹れようかしら」

かまどの中に泥炭を入れてマッチで火を灯す。
やかんに分離した水を注ぐと、すぐに沸騰した。
持って来た茶葉をティーポットに淹れてカップに注ぐと、紅茶のいい香りが漂う。

「はぁおいしかった。休憩が終わったし、売り物を作るわよ!」

マディカは杖を振るって、陶磁器の食器を作りまくった。

大量の陶磁器を泥岩の荷馬車に載せて、泥の馬に引かせて、隣国の市場で売りまくった。
そのお金で食料や日用品を買って家に帰る。

「植物が育って自給自足ができるまでは、ひたすら売りまくろう」