【短編】泥魔法しか使えないので、王子に婚約破棄されて《不毛の地》に追放された令嬢の行方

「出でよ、泥人形!」

マディカと同じくらいの泥人形に「種を植えなさい」と命令すると、泥人形はすぐに種を植え始めた。

「水を撒くためのじょうろを作らないとね」

残っていた泥に向かって杖を指した。

「泥を高温! 圧縮! これでじょうろのできあがり」

じょうろに水を入れて泥人形に指示を出した後。

「畑は泥人形のドロシーに任せるとして、家の中を整えよう」

荷物を抱えて家に入ったマディカは、ぐるりと部屋の中を見回した。
間取りは1DKだ。

「いい感じだけど、窓がないわね」

この辺がいいかしらと独り言を呟いてから、杖で壁をコツンと叩く。

「泥の中からガラスの成分だけ分離! 高温! ガラス窓のできあがり!」