【短編】泥魔法しか使えないので、王子に婚約破棄されて《不毛の地》に追放された令嬢の行方

当時王子だったレオナルドは今や国王だが、王妃サーラと喧嘩ばかりしている。

「サーラ、お前は王妃のくせに何もできない役立たず!」
「レオナルド様だって、魔法量が少なすぎて何もできないでしょ!」

国内の農地は魔物との戦闘で何も育たなくなってしまい前代未聞の食糧不足で、苛立っているのだ。

宰相はレオナルド達に内密で、マディカの元に使いを出した。
マディカを追放した《不毛の地》はサナクト王国から遥か遠くにあるが、緑豊かな大地に変わっていると最近噂を聞いたのだ。

しかし。
元《不毛の地》にマディカはいなかった。

マディカは、追放された後しばらく、作った陶磁器を《不毛の地》から一番近いモルナ王国の市場に売りに行っていた。
モルナ王国は《不毛の地》が緑豊かになりつつあることを知って、マディカを訪ねた。
《不毛の地》は全世界から見捨てられており、誰のものでもなかったため、マディカはモルナ王国と取引し、緑豊かになった《不毛の地》を月々決まった額で貸し出すことにしたのだ。
不動産収入で潤ったのでモルナ王国で悠々自適なスローライフを堪能するマディカの行方を、宰相が知る術はなかった。


ーーサナクト王国は食糧不足を解消できず、怒りが頂点に達した国民達により、国王と王妃は処刑された。
そうして、サナクト王国は滅んだのだった。

〈終〉