【短編】泥魔法しか使えないので、王子に婚約破棄されて《不毛の地》に追放された令嬢の行方

「マディカ・ルーシル! お前との婚約を破棄する!」

ここは煌びやかな王宮の夜会。
シャンデリアが輝く応接間に、第一王子のレオナルドの声が響き渡った。
貴族達に不躾な視線を向けられたマディカは、申し訳なさそうに俯くことしかできない。
レオナルドはフンッと鼻を鳴らしてから、話を続ける。

「理由はわかっているだろう? 先日の魔法属性判別式の結果だ」

レオナルドの言葉にマディカは悲しげに目を伏せて、その時のことを思い返したーー

このサナクト王国では、魔力量は幼い頃に判明するが、何の魔法が使えるかは15歳で行われる【魔法属性判別式】でわかるのだ。

魔法教会の地下にある魔法の泉の水に触れた時。

赤色に変わったら、火魔法。
青色に変わったら、水魔法。
水色に変わったら、風魔法。
緑色に変わったら、地魔法。
金色に変わったら、聖魔法。

聖魔法は魔物を浄化したり結界を作ったりできるので、聖女として崇められる。
(ちなみに闇魔法は魔族だけのものなので、人間に発現することはない)

マディカが魔法の泉に触れた時、水は真っ茶色に染まった。