甘い夢に揺蕩う③



私は元自衛官のおじいちゃんから、護身術を叩き込まれた。

使わないのが一番だが、使うなら急所を確実に狙い、再起不能にしろ、と……。

……過剰防衛も厭わずに。

逃げると助けを求めるのが、優先事項ではあるけれど。


自衛官は転勤族なので、両親が揃ってるのは、珍しかった。

単身赴任で各基地に勤めていた。

学校があるので、私はずっとおじいちゃんと実家にいた。

おじいちゃんと、ほぼ二人暮らしだった。

両親がいなくても、寂しくはなかった。


私にはおじいちゃんと、凛がいてくれたから。

けど、凛はお父さんの仕事の都合で小学三年生の時、海外に引っ越してしまい、おじいちゃんは私が小学六年生の時に亡くなった。



私と凛が住むマンションは学生向けで、1Kの間取りでオートロック、お風呂とトイレが別で綺麗な物件である。

一人暮らしは危ない、と両親には心配された。

実家でもほぼ一人暮らしだったが、お隣さんが気に掛けてくれていた。

私は回覧板を届けに行ったり、清掃活動に参加してご近所付き合いをした。

知らない人が彷徨いてれば、直ぐに通報されるか、不審者情報が回るくらい、治安の良い地域に住んでた。

おじいちゃんが亡くなって、自衛官の両親が仕事で不在がちなのを、知ってるから気に掛けてくれた。


凛が同じマンションに住む、……で、両親から許可が出た。

凛は頭脳派で武闘派では、ないのだが……。

凛がいるってのは、心強かった。