ナオくんの言うとおり

カウンター越しに、ナオくんと目が合う。

両手には淹れたてのコーヒーが入ったカップ。

それがそっと、丁寧に、私の前に置かれた。


「真凜のペースで、高校生になれよ」


イマドキの女子高生じゃなくて。

『私』として……。


……ほんっと、まいっちゃう。


「……いつも、ナオくんに教えられちゃうなぁ」
「お前よりも年上だからな〜」


「人生経験豊富なんだよ」なんて笑うナオくん。

テストでは平均点ギリギリだったくせに。
留年するかもって、高校のときは言ってたくせに。


「でも、ナオくんって彼女いたことないよね?」


放課後はいつもここだったから、彼女と帰ったりしてる感じじゃなかった。

今だって、コーヒーとお店のことばかり……。