ナオくんの言うとおり

「好きじゃなかった……」
「そ、私は好きだったら嬉しいなって思うからさ」


「アイツは先走りすぎだとは思うけど」と千夏は呆れたように言った。


好きじゃ、なかったのかな……。

カッコいいと思ってたし、スポーツも出来て、明るくてすぐ誰とでも仲良くなれて……すごく尊敬してた。

でも、べたべたくっつかれたり、すぐに抱きしめられたり、キスを求められたりするのは嫌だった。


見た目だけしか見てくれてないのが、辛かった──。


高校デビューして見た目を変えたくせに、それが辛くなるなんて……。


「付き合ってみてわかることもあるし」
「うん……」
「合わなかったってことだよ、そんなに深く考えることないって」


千夏は私の肩を抱いて、安心させるように撫でてくれる。

そのあたたかさが、少しだけ辛かった。