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「ただいまー……」
控えめに横開きの戸を開け、小声で呟く。
ふと、違和感に気づいて動きを止めた。
いつもは親子3人分の靴しか並んでいない玄関に、今日はなぜか数人分の靴が置かれている。
「お客さん……?」
来客が来るなんて聞いてたっけ?
首を捻っていると、廊下を歩いてきたお母さんがアタシに気づいた。
「夢芽、おかえり!さぁ急いで居間に顔を出してきなさいね、皆さん待っていらっしゃるわよ」
「え、待ってるって……誰が?」
「あら、今朝お父さんが言ってたことを忘れたの?あなたのバクをサポートしてくれる仲間との顔合わせだって言っていたじゃ――」
バク。
サポート。
仲間。
その単語だけで、アタシは弾かれるように居間へと向かう。
そうだった!
テストのせいで完全に忘れてた……。
仲間って、アタシの仲間だよね。
その顔合わせってことは……いよいよ本格的にアタシのバクが始まるんだ!
居間の障子の前で数回の深呼吸をして、中にいるであろうお父さんに声をかける。
あくまでも冷静に、本家っぽく、落ち着いて。
「お父さん。ただいま帰りました、夢芽です」
「あぁ、帰ってきたかい。中にお入り」
「はい、失礼いたします」
障子の戸を開くと、そこには。
手前に座ったお父さんの姿と、テーブルを挟んで向かい合うように座る遠夢のおじちゃんと近夢のおばちゃん。
そして、見慣れない男の子と女の子の姿があった。
その2人はそれぞれおじちゃんとおばちゃんの隣に座っていて、アタシを静かに見つめている。



