夢渡りのバク


バクのお仕事は本家と分家の人間しか知らない、特殊なお仕事。

ボランティア活動のようなものだから、当然お金も出ないし稼ぎにはならない。

だからお父さんは日中、別の仕事もしている。

昼間は絵本作家、夜は夢渡りをするバク。

それがアタシのお父さんのお仕事。

でもそんな生活、忙しすぎるよね。

昼も夜も1人で働くお父さんに、アタシは胸が熱くなった。

バクはアタシたちの一族しか出来ないんだから、人手不足なのは目に見えてる。

なら……アタシたちが手伝わなきゃ。


「そういうことなら任せて、お父さん!」


ポンッと自分の胸を叩くアタシに、全員分の視線が集まる。

正直まだ不安はあった。

だけど、何事もやってみないと分からない。


「アタシたちの初仕事、絶対に成功させるから!」


***


そう息巻いて請け負ったバクの初仕事。

自らの独断の行いを反省したのはそれから数分後のことだった。


「ごめん……みんなの意見を聞くべきだったよね」


部屋として使っている和室の敷き布団の上で、アタシは2人に土下座する。

隣の敷き布団に体育座りをするめい子ちゃんは、その両膝に顔を埋めていた。

その瞳は不安そうに揺れている。