魔法より、君に恋をする。

 女子寮が見えてくる。

「ここまでで大丈夫です」

「ああ」

「今日はありがとうございました」

「俺は何もしていない」

「一緒にいてくれた」

 カイルが黙る。

「それで十分です」

「……そうか」

「はい」

 リリアは寮へ向かおうとして、振り返った。

「また明日」

 カイルの表情が揺れる。

 ほんの一瞬。

 昨日アレンが見せたものと、どこか似ていた。

 けれど意味までは分からない。

「……ああ」

 カイルは答える。

「また明日、リリア」

 今度は自然だった。

 リリアは少し嬉しくなった。

「はい」

 手を振り、寮へ入る。