魔法より、君に恋をする。

「ありがとうございました!」

 女子生徒と別れ、二人きりになる。

「……セシル」

「何?」

「まだ怒ってる?」

「怒ってないよ」

「ちょっと怒ってる顔」

「心配しただけ」

「ごめん」

「だから、謝らなくていい」

 セシルは歩きながら小さく息を吐いた。

「リリアが誰かを助けてたなら、それを怒る気はないよ」

「うん」

「ただ、いなくなってたから驚いた」

「私もセシル迎えに行きたかった」

「どうして?」

「いつも私が迎えに来てもらってるから」

 セシルが足を止める。

「たまには私が行こうと思って」

「……それで迷ったの?」

「途中までは合ってた」

「どこまで?」

「図書館出るところ」

「最初からじゃない」

「厳しい」

 セシルが吹き出した。

「本当にリリアは……」

 笑いながら、セシルは手を差し出した。

「ほら」

「迷子対策?」

「それもある」

「他には?」

 聞くと、セシルが少し黙った。

「……繋ぎたいから」

 リリアは瞬いた。

 セシルも自分で言ってから照れたらしく、視線を逸らす。

「嫌ならいいよ」

「嫌じゃない」

 リリアはその手を取った。

「私もセシルと手繋ぐの好き」

「……そういうこと、普通に言うよね」

「駄目?」

「駄目じゃないから困る」

「なんで?」

「今は分からなくていい」

「またそれ」

 リリアは不満だったが、繋いだ手はそのままにした。