魔法より、君に恋をする。

「何でいるんですか?」

「いたら悪い?」

「悪くはないけど」

 さらに三十分後。

 四人は王都中央にある大きな書店で、もう一人の知り合いと遭遇していた。

「休日にまで君に会うとは思わなかったよ」

 眼鏡の奥の紫色の瞳を細め、ルシアンが笑う。

「私もです」

「それで、ずいぶん賑やかな組み合わせだね」

「途中で増えました」

「俺を荷物みたいに言うな」

 アレンが睨む。

「アレンもいたんだ」

「見りゃ分かんだろ」

「相変わらず元気そうで安心したよ」

「喧嘩売ってんのか?」

「君、その言葉好きだね」

 二人は仲が悪いのだろうか。

 それともこれが普通なのだろうか。

 最近分からなくなってきた。

「会長は何を?」

 セシルが尋ねる。

「本を探しに来ただけだよ」

「魔法書?」

 リリアが食いつく。

「残念。今日は歴史書」

「歴史も好きです」

「君ならそう言うと思った」

「……また」

 リリアが目を細める。

 ルシアンは笑った。

「三週間も話していれば分かるよ」

「セシルと同じこと言う」

「光栄だな」

「私は嫌です」

 セシルが即答する。

「ずいぶん嫌われたね」

「会長、リリアに変なこと吹き込むので」

「人聞きが悪い」

「実際怪しいです」

 リリアも頷く。

「二対一だね」

「俺もそいつ怪しいと思うぞ」

「三対一になった」

「僕も入ろうかな」

「四対一か。人気者は辛いね」

 ルシアンは全く困っていなさそうだった。