魔法より、君に恋をする。

 入学式後の魔力適性試験。

 リリアが魔晶石を割った。

 正確には。

 普通に魔力を流しただけで。

 真っ二つにした。

 訓練場が静まり返る。

「……これ、弁償ですか?」

「そこを心配するな!」

 教師の声が響いた。

 観覧席から笑いが起こる。

 セシルは額を押さえていた。

「天才って、全員こうなのか……?」

「私は違うと思う」

「お前のことだよ」

 二つ目の魔晶石にも亀裂が入ったところで、教師は測定を諦めた。

 そして。

 リリア自身は知らなかった。

 その試験を。

 三人の上級生が見ていたことを。

 赤髪赤眼の二年生。

 アレン・ヴァーミリオン。

 黒髪黒眼の三年生。

 カイル・クロフォード。

 そして。

 黒紫の髪と眼鏡。

 三年生の生徒会長。

 ルシアン・ノクス。

 三人とも。

 魔晶石など見ていなかった。

 見ていたのは。

 銀髪の少女。

 ただ一人。