魔法より、君に恋をする。

『試合終了!』

 鐘。

 リリアは杖を下ろした。

 息が上がっている。

「結果は?」

 隣のセシルも肩で息をしている。

「分からない」

「最後、西どうなった?」

「ノアがいた」

「じゃあ」

 場内に声が響く。

『確保塔数――』

 一拍。

『第十三部隊、五』

「……」

『対戦部隊、零』

 歓声。

『勝者、第十三部隊!』

「全部取った!」

 リリアが跳ねた。

「本当に取った!」

 遠く。

 西塔の上で。

 ノアが両手を上げている。

「ノア!」

「取ったよー!」

「すごい!」

「もう一回!」

「すごい!」

「聞こえない!」

「じゃああとで!」

「約束だからね!」

 セシルが笑い出す。

「何これ」

「楽しい」

「うん」

 中央へ。

 アレン。

 カイル。

 レオンハルトも戻ってくる。

「五個!」

「見りゃ分かる!」

 アレンが笑う。

「全部!」

「欲張ったな」

 カイルも珍しく口元を緩める。

「でも勝った」

「そうだな」

 レオンハルトがリリアの頭へ手を伸ばす。

 途中で止まる。

「触っていい?」

「うん」

 軽く頭を撫でられた。

「よく頑張ったね」

「子供じゃない」

「知ってるよ」

「でも褒めるのはいい」

「じゃあ、よく頑張りました」

「レオン先輩も」

「ありがとう」

 そこへノアが戻ってくる。

「リリア!」

「ノア、すごい!」

「もう一回」

「すごい」

「もう一回」

「しつこい」

「さっきの分」

「すごいすごい」

「雑!」

 笑い声が重なった。