魔法より、君に恋をする。

「増えた!」

 リリアが叫ぶ。

「六人いるね!」

 ノアが答える。

「全部来た?」

「たぶん!」

「人気」

「だから塔がね!」

 セシルが笑う。

 三対六。

 不利。

 でも。

「あと何分?」

「十二分!」

「長い!」

「守り切る?」

「無理!」

「即答だね!」

「じゃあ」

 リリアは杖を握る。

「攻める」

 ノアとセシルが一瞬止まる。

「六人相手に?」

「うん」

「……リリア」

 セシルが笑った。

「それでこそだね」

「僕も嫌いじゃない」

 ノアが前へ出る。

「じゃあ三人で――」

「違う」

 リリアが言った。

「待つ」

「何を?」

「みんな」

 その瞬間。

 炎が降った。

「待たせたな!」

「アレン先輩!」

 反対側。

 黒い剣が一人の攻撃を弾く。

「前だけ見るな」

「クロフォード先輩!」

 最後。

 金色の防壁が中央塔全体を覆った。

「間に合ったかな」

「レオン先輩!」

 六人。

 揃った。

 リリアは笑った。

「遅い」

「君が言う?」

 レオンハルトが苦笑する。

「あと十二分」

「十分だろ」

 アレンが拳を鳴らす。

「守る?」

 ノアが聞く。

 リリアは首を振った。

「勝つ」

「同じじゃない?」

「違う」

 杖を上げる。

「全部取る」

 一瞬。

 沈黙。

 そして。

「欲張りだな」

 カイルが言った。

「駄目?」

「いや」

 剣を構える。

「やるなら徹底的にやれ」

「賛成!」

 セシルも剣を構える。

「じゃあ僕、西取ってこようかな」

 ノアが笑う。

「一人で?」

「信じてくれる?」

 リリアは頷いた。

「うん」

 ノアの表情が、一瞬だけ止まる。

 それから。

「行ってくる」

「行ってらっしゃい」

 ノアが走る。

「俺も行く」

 アレン。

「南は?」

「一回捨てる!」

「分かった!」

「カイル!」

「俺は中央に残る」

「じゃあお願いします!」

「ああ」

「レオン先輩!」

「全体を見る」

「セシル!」

「ここにいるよ」

「うん!」

 六人が動く。

 誰も。

 リリアだけを守ろうとはしなかった。

 それでも。

 誰一人。

 リリアを一人にはしなかった。