魔法より、君に恋をする。

『試合終了!』

 鐘が鳴った。

 一瞬。

 誰も動かなかった。

『救助対象確保数――第十三部隊、三。第二部隊、一』

 観覧席が静まる。

 そして。

『勝者、第十三部隊!』

 歓声が爆発した。

「……」

 リリアは目を瞬いた。

「勝った?」

「勝ったよ!」

 ノアが笑う。

「全部運んだ?」

「運んだ!」

 セシルも笑っている。

「三体?」

「三体!」

「本当に?」

「何回聞くの?」

 レオンハルトが笑った。

「勝った!」

 ようやく実感した。

「勝った!」

 リリアが両手を上げる。

「アレン先輩!」

「おう!」

 ぱん。

「クロフォード先輩!」

「……またやるのか」

「勝ったから!」

 ぱん。

「セシル!」

「うん!」

 ぱん。

「ノア!」

「待ってました!」

 ぱん。

「レオン先輩!」

「どうぞ」

 ぱん。

 五人。

「あと一人」

 全員が同時に結界の外を見る。

 監督生区域。

 ルシアン。

「……僕?」

 口の動きだけで分かる。

 リリアが大きく頷く。

 ルシアンが笑った。

 結界が解除される。

 リリアは真っ先に走った。

「ルシアン先輩!」

「おめでとう」

「手」

「はい?」

「全員だから」

「僕は戦ってないけど」

「監督生」

「そうだね」

 ルシアンは少し笑って手を上げた。

 ぱん。

「これで全員」

「満足?」

「うん」

「ならよかった」

 後ろからアレンの声。

「おいリリア! 次の試合見に行くぞ!」

「行く!」

「その前に昼飯!」

 ノアが言う。

「苺ある?」

「今それ?」

 セシルが笑う。

「肉」

「アレン先輩、まだ早い」

「何でだよ!」

 カイルがため息をつく。

 レオンハルトが笑う。

 騒がしい。

 でも。

 楽しい。

 リリアは六人を見た。

 そして。

 自分でも気づかないうちに、笑っていた。