魔法より、君に恋をする。

 二体目の救助対象は、倒木の下にいた。

「重い」

「持ち上げる?」

「燃やしたら?」

「救助対象ごと燃える可能性があるから却下」

「じゃあ切る」

「それなら」

 剣がない。

 二人が顔を見合わせる。

「セシル呼ぶ?」

「遠い」

「アレン先輩なら燃やす」

「だから駄目だって」

「クロフォード先輩」

「廃墟」

「ノア」

「セシルと一緒」

「じゃあ」

 リリアは杖を構える。

「私が切る」

「魔法で?」

「うん」

「できる?」

「たぶん」

「その『たぶん』怖いな」

「見てて」

 細い光。

 刃のように圧縮する。

 倒木へ当てる。

 切断。

 綺麗に二つに分かれた。

「できた」

「……君、本当に何でもするね」

「褒めてる?」

「心から」

 二人で倒木を退ける。

「運ぶよ」

「今度は僕が多めに持つ」

「半分」

「君、こういうところ頑固だね」

「平等」

「分かった」

 二人で救助対象を持ち上げた。