魔法より、君に恋をする。

 誰もいなくなった演習区画。

 地面には、何の痕跡も残っていなかった。

 けれど。

 遥か地下。

 学院の結界よりも深い場所で。

 何かが脈打った。

 一度。

 二度。

 十三度。

 そして。

 暗闇の中で、誰かが笑った。

『ようやく器が目を覚ました』

 その声を聞く者は、まだ誰もいなかった。