魔法より、君に恋をする。

「何食べるんですか?」

「会って最初の質問がそれ?」

「昼休みなので」

「君は本当に色気がないね」

「昼ご飯に色気いる?」

「いらないかな」

「じゃあいいでしょ」

「うん。君はそのままでいて」

 ルシアンは笑った。

「西棟に小さな食堂があるんだ。教職員と上級生がよく使う」

「一年生入れる?」

「僕と一緒なら」

「会長って便利」

「昨日も聞いたな」

「便利だから」

「もう少し僕自身の魅力を評価してほしい」

 リリアは横を歩くルシアンを見る。

「顔?」

「そこから?」

「頭いい」

「うん」

「背高い」

「うん」

「眼鏡似合う」

「……うん」

「秘密が多い」

「最後は褒めてないね」

「でも、前より好きですよ」

 ルシアンの足が止まった。

 リリアも止まる。

「何?」

「今、何て?」

「前より好き」

「……」

「嫌いじゃなくなったって意味」

「補足が早いな」

「変な顔したから」

「もう少し夢を見せてくれてもよかったのに」

「夢?」

「何でもない」

 ルシアンは歩き出した。

 けれど、その横顔がほんの少しだけ楽しそうだった。