魔法より、君に恋をする。

そして。

 二十分後。

「……ここどこ」

 リリアは知らない廊下にいた。

 窓の外を見る。

 中庭。

 見覚えはある。

 ただし、どの中庭なのか分からない。

「学院、中庭多すぎ」

「三つしかないよ」

 背後から声がした。

 振り返る。

「ルシアン先輩」

「迎えに来た」

「なんで?」

「君が来ないから」

「まだ二十分です」

「君の場合、二十分来なかったら捜索を始めた方がいい」

「失礼」

「正解だっただろう?」

「……はい」

 ルシアンは笑った。

「おいで」

「生徒会室?」

「今日は違う」

「どこ?」

「研究塔」

「行ったことない」

「だから迎えに来たんだよ」

「最初から来てくれればよかったのに」

「まさか同じ学院内で遭難するとは思わなくて」

「遭難してません」

「じゃあ今どこにいるか分かる?」

「学院」

「広いなあ」

「……」

「怒った?」

「少し」

「ごめん」

 言いながら、まったく反省していない顔だった。