魔法より、君に恋をする。

午後は服屋を何軒か回った。

「これ似合いそう」

 セシルが持ってきたのは、淡い青色のワンピースだった。

「私?」

「うん」

「着てみる」

「即決だね」

「セシルが選んだし」

「……そう」

 試着室へ入り、着替える。

 少ししてカーテンを開けた。

「どう?」

 セシルが黙った。

「変?」

「……いや」

「じゃあ何?」

「すごく似合う」

「本当?」

「うん。すごく可愛い」

 リリアは鏡を見る。

「じゃあ買おうかな」

「そんな簡単に?」

「似合うって言ったから」

「私が?」

「うん」

「私の意見で決めるの?」

「信用してるから」

 セシルはしばらく黙った。

「……買おう」

「なんでセシルが決めるの」

「もう買って」

「買います」

 次はセシルの服を見る。

 リリアが選んだのは、白いシャツだった。

「これ」

「普通じゃない?」

「着て」

「はいはい」

 数分後。

 試着室から出てきたセシルを見て、リリアは頷いた。

「やっぱり格好いい」

「それしか言わないね」

「綺麗でもある」

「……」

「セシルって両方だね」

「両方?」

「格好いいし、綺麗」

 リリアは近づく。

 襟元が少し曲がっていたので、手を伸ばした。

「ここ」

「え」

 襟を整える。

 顔が近い。

 セシルが息を止めた。

「直った」

「……ありがとう」

「これ買えば?」

「買う」

「即決」

「リリアが似合うって言ったから」

「真似した?」

「した」

 リリアが笑う。

 セシルも笑った。