母国の恋人を想いながらも、嫁いだ敵国の王に溺愛されてしまいました

 男が寝息を立てると、ローズは枕の下に隠していたそれを掴んだ。
 上体を起こすと、迷うことなく男の首目掛けて、勢いよくそれを振り下ろす。
 しかし、すんでのところで目覚めた男にかわされる。
 右へ左へと俊敏に掴んだ短剣を繰り出すが、それよりも速く避けられ、あまつさえ得物を持つ右手首をひねりあげられた。

「くっ」

 男は上体を起こしながら、痛みで呻いたローズが落とした短剣を、もう片手で掴むと寝台の外へ放り投げた。

「寝首を掻けなくて残念だったな」

 闇の中、ローズは男をねめつけ、男は余裕の笑みを浮かべている。




 長年争いを続けていたカレイズ王国とバハロ王国は度々争い、大戦の後、決着がつかないまま停戦をすることになった。
 そこで持ち上がったのが和睦だ。条件として、バハロ王国国王ユーベルトに、カレイズ王国の王女が嫁ぐことが決められた。
 白羽の矢が立てられたのは、二十歳になる第一王女のローズだ。
 野心を抱き続ける父王に、ユーべルト暗殺を命じられ、二年前から密かに訓練を受けていた。
 五歳年上のユーべルトは一年前に病で王妃を亡くし、独身だった。その為、後妻としてローズが王妃として迎え入れられることになった。
 婚儀は行われることなく初夜を迎えて、二人は眠りについた。
 ローズは王命通り、暗殺を謀ったのだが失敗に終わってしまった。

 護衛を呼ばれる覚悟をしていると、何を思ったのか両手首を脱ぎ捨てている寝衣で縛りあげられ、押し倒された。

「殺せっ」

「お前のような美女をそう簡単に殺すのは惜しい」

「貴様に凌辱されるぐらいなら死んだ方ましだ」

「暗殺しようとしておいて選択肢があると思うなよ」

 ユーベルトはナイトテーブルに置いてある布巾を取ると、ローズの口にねじ込んだ。
 滑らかな首筋に顔を埋めると、キスをしながら肌を舐めていく。

「んっ! んっ!」

 一つに纏められた手首は頭上で押さえつけられ、呻いてもがいても逃げられない。
 豊満と呼ばれるたわわな乳房を、剣だこのできたゴツゴツとした大きな手で揉みしだき、暴れるのも無視して双丘の頂を口に含んで舌で転がす。
 ローズはユーベルトとの初夜で処女消失したばかりだった。
 たった一度繋がっただけで行為をやめたのは、迎えたばかりの妻をユーベルトが気遣ったからだ。
 一度目は終始優しかったが、暗殺未遂後の二度目は荒々しかった。

 もう幾度目か分からない絶頂に、半ば気を失いかける。
 交接部は互いの体液でべとべとだ。それでも、終わらない。
 延々と続けられた責めに、ローズが失神しても行為は続けられ朝になる。