水戸くんそれも演技なんですか?!

目覚めたら柔らかい布団の上にいた。
「ここ…確か意識を失って。」
「あ、おはよー、随分と寝てたね。」

真上から覗き込むーー水戸君。
は..え?そういえばーーー
『俺の演技の練習台になってくれ』
ーーって言ってたような。

「あの、練習台って、一から説明してもらえませんか?」

私は布団から起き上がって地面へ座り込んだ。
水戸君は少し私を見つめてから、笑った(?)

「マネージャーが最近演技力が落ちてるって説教を入れてきて?
練習しろって言われたけど、恋愛モノなんてどうやって一人で練習するのさ。
ましてやリアリティショーなんてね。
「リアリティショーって、もしかして数年後に公開する『私の初恋』ですか?!」
「ああ、出演者の一人に決まったよ。」

あの番組は幼い頃から見ていて、いつか推しの出演を願っていた。
こんな幸せがあるのかーー嬉し涙がボロボロと流れる。

「あれえ、そんな嬉しいかなあ。
まあ、君なら。
俺を愛してやまないファンなら助けてくれるでしょう?
きっと反応も最高だし、ファンも認めてくれるでしょう。」
(無茶苦茶すぎる!....印象通りだけど。)
「恋愛対象とファンは別ごとですし、私は(命が持たなくなるんで)。」

私は少し後退りしてから、鏡の横のカバンへ手を伸ばした。

「え〜SNS公開とかやめてよ、美咲ちゃん。あのお友達ちゃんに連絡とかーー凛ちゃんだっけ?」

空気が凍りついたようだった。
なんで知ってーーてか、私名乗ったっけ?

「知ってるさ。」「最古なんだから。一番古い。ね。」


知らない、こんな怖い水戸君はしらない。
こんなくらい真っ黒なーー。

「........なーんて!驚いた?名前は君の友達に聞いただけだし、君の意思は尊重する。
それにここは君のお友達の家だから安心して。」

いつもの明るい笑顔。
確かに演技の目はしていた。

「なーんだ。よかったあ。」

「それで?引き受けてくれるかい?」
「..私でいいんでしょうか。」
「君じゃなきゃダメなんだ。」

「私なんかが釣り合うんでしょうか。」
「俺の」目に狂いはないよ。」

「なんで始めあった私をそんなにーー」
「グッズをみていた君の目があまりにも輝いていて、引っ張られてしまったんだ。
初めての、キラキラの衝撃を受けた。」

それに、推しの願いを断るなんてできない。
それに、こんな可愛い目をしていたらーー。

「わかりました、水戸君。」
(名前呼んでくれないかなあ、まあまだ美咲、恥ずかしいか。)
「じゃあ、早速よろしくね、美咲。」
(...!名前...)


もうすでに心が破裂しそうだ。

「はい、水戸君。」

心が破裂しないように、気をつけてください!
もうすでにーー破裂しそうです!