「花草夢さん!!
俺ーーいや、僕と付き合ってください!!」
「いや…、あの話したことないよね……。
そうゆうとこ生理的に無理だから。
じゃあ」
と、何回目だろうか。
こんな風に振ったのは。
私はいつも、渡り廊下で告白されて早、これで百回目。
もう全校の男子高校生に告白されたのは、慣れてしまった。
目の前の黒髪メッシュの隼人先輩は肩を落とし。
トボトボと帰ってゆく。
確かにかっこいいけれど、話したこともないのに話しかけてくる神経ーーやっぱりムカつく。
話しかけてこなかったくせに、いきなり告白してくるのとかどんな輩でもキモい。
昼ごはんのカレーパン食べれなかったし、時間かえてしてほしい。
なーんて、言ったらトラブルの元だから。
喧嘩腰にはならずぐっと我慢するだけ。
ふわりとスカートが舞う。
「よっしゃぁーー!!
1パンツ見っけ!!」
と、目の前に黒髪ショートのイケメン(悔しいけれど……)和人先生が現れる。
「半径1メートル以内で、ゴーグルを使ってしかも見るな!!」
とバシッと頭をぶっ叩く。
「えぇ~、ピンクのパンツ可愛かったのに。
性格も可愛くないんだな」
「あんた、次にほざいたら口を縫うわよ?」
ヒィと後ずさった和人は、こう見えても物理学の先生。
なのに、黄色の蛍光色のジャージを着ているのはーーーエロで頭を溶かされてゾンビにでもなったんだろうか。
「んで?
付き合わないのかよ?
ピンクのパンツチラ見させて、キスでもしてやればイチコロだっただろうに」
思いっきし股間を蹴ってやって、和人は「うおぉおお!?」と喘ぐ。
「アンタは私の担任のくせに、デリカシーって言葉ないの?!
ストーカーにも現在進行系で合ってる被害者なのに、サイコね!!」
と、私はその場を走り去った。
そう、私は今和人先生以外のストーカーに遭っている。
分かるんだ。
ずっと一ヶ月前から、追われている謎の気配が。
背筋が凍るような、そんな出来事も和人先生といると薄まるけれど……心地のいいものではない。


