加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

そう言うと。

大山先輩が、ふっと笑った。

「その呼び方、反則だろ」

「なんでですかぁ?」

「分かってて言ってんだろ?」

「さぁ?」

あたしは、わざと首を傾げる。

大山先輩が、呆れたように笑った。

その顔を見て。

あぁ。

帰って来たんだ。

本当に。

あたしは、そっと目を閉じた。

大山先輩の手が、優しく頬に触れる。

そして。

どちらからともなく、顔を近づけた。

重なった唇は、さっきまでとは違って。

とても、優しかった。

「おかえり」

やっと欲しかった言葉が聞けた。

「ただいま」