加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

「だからなんだよ」

「だからって……」

言い返そうとした、その瞬間。

また唇を塞がれた。

「んっ……」

もう。

人の話、聞いてないし。

なのに。

あたしの手は、大山先輩を押し返さなかった。

それどころか。

また、服をぎゅっと掴んでしまう。

「……欄」

唇が離れたと思ったら、今度は耳元で名前を呼ばれた。

「は、はい……」

近すぎる声に、身体が熱くなる。

「大山先輩……ここ、本当に資料室ですよぉ」

「分かってる」

「誰か来たら……」

「来させねえよ」

「そんなこと言ったってぇ……」

その時、大山先輩の手が、あたしの髪をそっとかき上げた。

その優しい触れ方に、あたしは何も言えなくなった。