加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

「大山先輩、待って!」

あたしが胸に手を置くと、大山先輩の動きが止まった。

「……嫌か?」

息を切らしたまま、あたしを見つめている。

「え?」

嫌……?

そんなわけない。

あたしは服を掴んだまま、首を横に振った。

「嫌じゃ……ないですけど」

「……そうか」

ほっとしたように息を吐いた。

でも、それも一瞬だった。

次には、また強く抱き締められる。

「せ、先輩……」

「悪い……今、無理だ」

「何がですかぁ?」

「待つのが」

掠れた声で、それだけ言う。

「ずっと……お前のことばっか考えてた」

「…………」

「無事だって分かっても、顔見るまで落ち着かなかった」

「大山先輩……」

「だから……待てねえ」

「でも、ここ職場……」

「だからなんだよ」

だめだ。

先輩、理性が飛んでる。