加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

あたしから、大山先輩の唇に触れた。

ほんの少し。

触れるだけのつもりだった。

なのに。

離れようとしたあたしの身体を、大山先輩の腕が引き戻す。

「きゃっ……」

もう一度、唇が重なった。

さっきより、強く。

「ん……」

大山先輩の手が、あたしの背中に回る。

抱き締められるたび、胸の鼓動が速くなっていく。

「大山……先輩……」

やっと離れた唇から、名前がこぼれた。

大山先輩は何も言わない。

ただ、熱のこもった目であたしを見ている。

「…………」

な、なに?
なんか……さっきと目が違うんですけどぉ。

あたしは思わず、一歩だけ後ろへ下がった。