加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

「大山先輩?」

あたしが顔を覗き込もうとした、その時。

いきなり腕を掴まれた。

「え?」

そのまま、大山先輩が歩き出す。

「え?え?どこ行くんですかぁ?」

返事はない。

ちょ、ちょっと待って。

「あたし、ほとんど寝てないんでぇ」

大山先輩は、黙ったまま歩いていく。

「少し仮眠を取らせてもらえると、ありがたいんですけどぉ」

「…………」

「先輩?」

聞こえてない?

まさか、怒ってる?

なんで?

何に?

「大山先輩?」

「…………」

「聞いてます?」

あたしの腕を掴んだまま、大山先輩は資料室の前で止まった。