加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

「はい!」

「苫利先輩は?」

「俺も行く」

苫利先輩も、ゆっくり立ち上がる。

「大丈夫ですか?」

「誰かさんと違って、本当に怪我人だからな」

「あたしは、元々元気ですよ?だいたい、歩けるんですか?車椅子で行くんですか?」

「歩いて行く、いざとなったら、松葉杖で戦うさ」

…………おぉ~、少し成長。

「そこまでだ」

高遠先輩の低い声に、あたしは口を閉じた。

廊下には、数人の捜査員が待機している。

さっきまでの空気が、一瞬で消えた。

「相手は院長と副院長だ。何をしてくるか分からない」

高遠先輩の目が、あたしたち一人一人を見る。

「気を抜くな」

「はい」

あたしも、表情を引き締める。

もう冗談を言ってる場合じゃない。

あたしたちは無言で、院長室へ向かった。