加納欄の入院 シリーズ32シーズン4

「てめぇ!」

もう一人の男が、あたしに飛びかかってきた。

「欄ちゃん!」

苫利先輩の声が飛ぶ。

あたしはソファから身体を滑らせ、男の手をかわした。

「残念でしたぁ」

振り向きざま。

男の脇腹に、思いっきり蹴りを入れる。

「ぐあっ!」

男の身体が床に転がった。

大げさだよ。

これでも手加減してあげてるのに。

素人さん相手に本気出すとおもってんの?

「…………」

静かになった病室。

あたしは、倒れた二人を見下ろした。

「はい。二匹捕獲」

「…………」

振り返ると。

苫利先輩が、固まっていた。

「……俺のギプス、いらなかったな」

「はい」

苫利先輩は、安堵のため息をついた。